CTOのブログ (14) 冬に赤いLED光でミニトマト栽培
こんにちは、㈱ラテラCTOの荒磯恒久です。
今日はミニトマトのお話。専門家は「ミニトマトの栽培は簡単で難しい」と言いますが、何となくそれは分かります。でも、家庭菜園ではとても簡単に育てられます。クリスタルグレインを使えば肥料の心配もなく、苗を作って植え替えるという手間もなく甘いミニトマトができます。札幌で、吹雪荒れ狂う1月に室内で種をまき、赤いLED光で最初の1か月間育て、3月に窓辺に移したトマトが、今、丸い実をつけています。まだ緑色ですが。早く赤くなぁれ、と毎日見ています。
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1月24日、長さ40cm、幅15cmのプランターに4リットルのクリスタルグレインを入れ、ミニトマトの種を均等に4粒まいた。室温は最高23℃、最低12℃、暖房器の近くにおいて夜間も10℃以下にならないよう気を付けた。光は、今流行りの赤いLED光を使う。ネット販売で安価に手に入る。水やりは霧吹きでやさしく、種を流さないように。2月9日、3粒発芽、やや遅い。気温のせいか、深めに種をまいたからか。1粒発芽しなかったが、これは想定内。その後、約1か月暖房器の近くで、赤いLED光だけで育てた。窓際に置かないのは窓からの冷気が夜中に温度を下げるからだ。
図1.トマトの発芽と赤いLED光での生長
赤いLEDは植物工場で用いられる技術だ。光はプリズムを通すと虹の7色になる。
図2.光の色と波長
図2は可視光(人間が見える光)の色と波長を示している。光は波の性質も持つので、色は波長の違いを反映するのだ。赤と橙の間にある620という数字は波長を表していて、その単位はnm(ナノメーター)。これ以上の説明は面倒なので今はしない。この波長の違いにより人間は色を識別する。図2で色の名前は6種だ。虹は7色なのに・・・・・青と紫の間に藍が入っていない、なぜ? 図2はウィキペディアの図を引用しているが、英語圏の人々は虹を6色と感じているからのようだ。虹の色の数はお国によって異なる。最少は4色とのこと。
さて、話を植物に戻す。植物を成長させる原動力は光エネルギーを用いて水と二酸化炭素から炭水化物を作ることにある。光合成を最も活性化させる波長は630nm、赤なのだ。植物工場では電気代節約のために光合成に役立たない他の波長の光は出さないようにして、赤いLEDの光だけを使う。私も試しに赤いLEDを使ってみたということだ。図1右の写真では「赤」というより「紫」に近い色感だ。これは植物成長全体には青い光も必要なので混ぜ込んでいるからだ。どちらも人間の目には暗く感じられる。
図3.窓辺の光と赤いLEDを併用した栽培。確かに成長する。
3月に入り、気温も上がってきたのでトマトのプランターを窓辺に移した。北側の窓なので赤いLED光も合わせて使った。直射日光が一度も当たったことが無いのに良く育つ。この北側の窓辺は、バジルは育つがレタスは育たないという微妙な光量の場所なのだ。
4月下旬から、トマトの果実が膨らみ始めた。まだ青い。本当は「緑」、これを「青」と呼ぶのは日本人の感覚だ。「目には青葉、山ほととぎす、初がつお」の世界。
このミニトマト栽培、土づくりも、苗づくりも、定植と言われる植え替えもしていない。手をかけたのは生長したトマトを支えの棒で倒れないようにしたことと、追肥を一度したこと。追肥はラテラの再生液肥「クリスタルビビッド」を合計100mlほど、茎の周りに注いだ。
もうすぐ昨年のように赤くなるだろう。
図4.昨年のミニトマト
さらに嬉しいのは、ミニトマトは一度の収穫で終わらないことだ。第二、第三の実をつけて3か月間は収穫を楽しめる。また、種から育てるのは時間がかかるなぁ、と感じる向きには、園芸店で苗を買ってきてクリスタルグレインに植え替えれば、菌・カビも繁殖せず、虫の心配もない室内菜園が出来上がる。植え替えの方法は前回のCTOのブログ(13)で紹介した観葉植物と同じでよい。
人は好奇心と探求心が強い生き物だ。次の栽培では鈴なりにしてやろうとか、もっと甘くしてやろうとか、もっとたくさん収穫しようなどと考える。その時は、冒頭で紹介した専門家の言葉のように「ミニトマトの栽培は難しく」なる。クリスタルグレインを踏み台に、プロの技に挑戦するのも人に生まれた特権かも知れない。